大使挨拶

令和6年1月11日
大統領
外相
首相
令和4年度対ガボン草の根「サンタクララ公立小学校校舎建設計画」署名式

在ガボン大使館のホームページにようこそ

 

 

           あけましておめでとうございます。今年が日本とガボン、赤道ギニア、サントメ・プリンシペにとって、そしてアフリカと世界にとって良い年になることを願いつつ、日本大使館としての使命を館員一同果たして参ります。
 
          昨年、ガボンでは、大統領選挙を含む総選挙後の2023年8月30日に、軍・治安部隊の一部が蜂起して選挙結果の無効と国家機関を解散し、代わりに国家機関移行再建委員会(Comité pour la Transition et la Réstauration des Institutions(CTRI))を発足させるという政変が起こりました。
 
          この蜂起を主導した大統領親衛隊長のオリギ・ンゲマ氏がCTRI暫定政権の大統領に就任し、同氏は、8月31日から9月2日にかけて経済界、政界、市民社会、宗教界、メディア、外交団などの代表と対話を進め、CTRI暫定政権への理解と支持を求めました。その後、文民で首相経験もあるンドン・シマ氏が暫定政府の首相に任命され、旧与野党や市民社会や学者等からなる27人の閣僚(うち軍人は4名)も任命されました。この期間を通じて、一つの暴力行為も流血沙汰も起こらなかったことは特筆すべきことでした。
 
          こうしてCTRI暫定政権は、前政権の行政・経済の主要機構を維持したまま国民の大多数の支持を得て実態的に機能し、民主的な文民政権への移行に向けて尽力しています。新憲法と再選挙を実施して2025年8月に民政移管するためのロードマップも発表されました。

          日本政府は、8月31日の外務報道官談話において、事態を深く憂慮し、ガボンの全ての当事者に対して、同国における憲法に基づく秩序が堅持されるよう呼びかけるとともに、文民主導の政府への早期復帰を求める旨、また、我が国は、アフリカ連合、国際連合等と共に、軍事的政権奪取は認められないことを強調し、アリ・ボンゴ大統領及びその家族並びに政府関係者の安全を含め、ガボン国内の安定が確保されることを求める旨、そしてガボンの平和と安定及びその社会と経済の持続可能な発展を引き続き後押ししていく旨を発表しました。
 
          この日本政府の立場を踏まえ、CTRI暫定政権の現状と民政移管努力を認識し、当館としては、これまでどおりガボン国民に裨益する経済協力プロジェクトを継続するとともに、国連機関を含む他ドナーとも連携して、民政移管プロセスへの支援を検討していく方針です。   

          私自身も、オリギ・ンゲマ暫定大統領、ンドン・シマ首相、外務大臣、その他の主要閣僚に面会し、上記の日本の立場を伝達しつつ、民政移管が実現することを信じていること、日ガボン友好協力関係の一層の強化に向けて、変わらず努力していく旨を述べました。各要人からは、日本の立場への理解と感謝の意が表明されたところです。

          在留邦人の皆様、出張者・旅行者の皆様、その他ガボン、赤道ギニア、サントメ・プリンシペにご関係のある皆様にとって、本年が良い年になりますことを心よりお祈り申し上げます。

2024年1月

駐ガボン日本国大使

野口 修二